更に桜

2004年4月5日 日常
今日は満月。

どうやら黄砂が流れ込んでいるようで
空間が少し霞んでる。

だから夜がキレイだった。

仕事をひとまず終えて、本部にまで戻ろうとしたら、すっごい渋滞…。
旭川沿いは花見の人で一杯。車が花見のために一杯…。
ってことで、急がばまわれ〜、わざと遠回りして、すいていそうな道
を選んで帰った。
急がばまわれ…、結局遠回りとともに、それだけ時間も費やした(泣)
知らない道通って、少しパニクッて、かなり遠回り。
「あぁ、おいらは何処へ向かっているの?」と自問自答しながら、
本部とは逆方向へ進んでいく…。

でも、転んでもタダでは起きない。
すっげーキレイな風景が見えた。

旭川に掛かる橋を越えている時、淡い黄色の満月が目に飛び込む。
月光が空気に拡散して、ほわっと広がる。
その下にオレンジ色の街灯が光の道をつくる。この光も拡散している。
全てが霞んでいて、神秘的な雰囲気。
いつもは逆の方向からしかこの時間帯は通らない。
だからこそ、新たな景色に出会えた。

全ての仕事を終えて、帰宅する時、
わざと旭川沿いの桜並木を通る。
すごい車で、渋滞していたけど、それが逆によかった。
この景色をそれだけ長い時間楽しめたから。
ボンボリも光の道をつくっていた。
川面に映る光もイイ。
桜がオレンジ色に照らされている。
そこに満月が。

霞んでいて、光が広がって、淡くなって
世界が曖昧になっていた。
視覚的な曖昧さ。

幻想的だけど、どことなく寂しい。
喧騒の中にある寂寥感。
群集の中で感じる孤独。

桜は咲き誇っているけど、
散ることを僕らは知っている。

咲き誇れば咲き誇るほど
その散り際が悲しく浮き彫りにされる。

だからキレイなのかもな。

PUDDLE OF MUDDの「blurry」を聞きながら桜を見た。
比較的激しいロックなんだけど、哀愁漂うメロディライン。
桜とイメージが重なる。
拡散するギターサウンドと激しくも寂しい旋律。
そのギターは散っていく桜の花びらのような一瞬の音。
シンプルなコード進行だからこそ、聞いていられる。

アンビバレンス?
二律背反。
愛憎一致。

同じ対象の中に相反する要素が同居する。

華やかな哀愁。
喧騒の中の一瞬の静謐。

もうすぐ桜吹雪が見えるかな。
その時こそ、blurryを聞きながら見ようかな。

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